| Up | ChatGPT の 'G(enerative)' は弁証法 | 作成: 2025-12-09 更新: 2025-12-12 |
ユーザ入力xに対する応答テクストyの生成は: X(0) = U+Y+x ↓ ← f(X(0)) :トークン X(1) = X(0) + f(X(0)) ↓ ← f(X(1)) :トークン X(2) = X(1) + f(X(1)) ↓ ← f(X(2)) :トークン ︙ ↓ ← f(X(n)) :トークン X(n+1) = X(n) + f(X(n)) ↓← f(X(n+1)) = <eof> 終了 y= f(X(0)) + f(X(1)) + ‥‥ + f(X(n)) ここで, U:過去セッションの履歴 (テクスト) Y:現セッションの先行テクスト f:処理アルゴリズム このテクスト生成は,「X(i+1) = X(i)+f(X(i))」のループを指して,「再帰的」と謂われる。 応答yが出力されると,つぎにYが更新される: Y → Y' = Y+(xの縮約)+y この更新に,弁証法 (自, 他)→(自′, 他′) をつぎのように当て嵌めることができる: 他 → 他′ : yの出力に伴う他の変化 「他 → 他′」の内容は,「バタフライ・エフェクト」のことばがあるように,不可視・非決定的である。 y の出力は,直接的なユーザの反応以外にも,ほかのユーザの行動,サービス評価,プラットフォームの挙動,さらにはモデルの運用ポリシーなどを介して,「他′」を生む可能性がある。 ひとは,ChatGPT の "G(enerative)" を,応答生成の「生成」だと思っているかも知れない。 そうではない。 "G(enerative)" は,「弁証法」がこれの意味ということになる。 |