1. デジタルカメラの撮影画像生成プロセス
デジタルカメラは,Bayer フィルタと呼ばれる RGBマトリックスフィルタを透過した光から,撮影画像を生成する。
そして Pi カメラの場合は,撮影アプリの raspistill がこの画像処理をする。
その画像処理は,マトリクスをつぎのように組み替えながら,最終の RGB 画像に至る:
Dong et al. (2022), p.17431 から画像を部分的引用・加工:
2. de_Bayer
Bayerフィルターは,
赤い光を通すフィルタ
緑の光を通すフィルタ
青い光を通すフィルタ
をマトリックスに並べたものであり,紫外線 (UV) と赤外線 (IR) をカットする。
よって,「UV撮影」のシステム構築は,Bayerフィルタの削除── "de-Bayer" と呼ばれる──から始まることになる。
翻って,de-Bayer が成らないことは,「UV撮影」が成らないということである。
de-Bayer カメラの画像ファイル生成は,つぎのようになる:
この場合,RAW画像以下の処理は無用なものになる。。
そこで RAWデータを直接使うことが考えられ,実際その手はある。
しかしこれは,却って手間がかかる。
3. 紫外線透過 (可視光カット) フィルタ
UV撮影は,光センサの前に可視光カットフィルタおよび赤外線カットフィルタを置く。
これで,紫外線のみが光センサに届くことになる。
カメラの画像ファイル生成は,つぎのようになる:
4. カメラレンズの紫外線透過率
さて,
- de-Bayer
- 可視光・赤外線カットフィルタの取付
の作業に見通しが立っても,大きな問題が残っている。
それは,カメラレンズの紫外線透過率である。
レンズは,紫外線透過率が高いことを要する。
5. 紫外線透過 (可視光カット) フィルの組み方
紫外線透過率の比較的高いレンズが調達できたとしよう。
そして上の2つの作業をクリアして,紫外線カメラの実現に至ったとする。
撮影は,つぎの「カメラ撮影」ページがそのまま使える:
この場合つぎの理由から,可視光カットフィルタは<着けたり外したり>をするものになる。
- ファインダは,可視光カットフィルタを外した状態で
- UV撮影でシャッターを押すのは,可視光カットフィルタを着けた状態で
よって可視光カットフィルタは,<レンズを簡便に覆う>仕様で組むことになる。
|