Up タンポポ : 在来種の減少 作成: 2019-05-02
更新: 2019-05-02


    タンポポは,葉が地ベタに広がる。
    この形状は,タンポポがつぎのような場所に生えることを示す:
    1. 他に草が生えていない
    2. 他の草が伸びる前に成長・開花を済ませられる (他の草が伸びた後は休眠状態に)
    3. 同種の占有状態になっている

    a, b では,在来種よりも外来種のセイヨウタンポポの方が,先に進出できる。
    c では,この場所がさら地にされると,セイヨウタンポポの方が先に進出できる。
    こうして,在来種は個体数を減らす一方となる──減少ループ。
    減少ループの先にあるのは,絶滅である。

    ただしここに,在来種とセイヨウタンポポの雑種が現れている。
    在来種の以上の状況は,「日本におけるタンポポの進化」というものである。


  • 参考文献
    • 多田多恵子「昭和タンポポ合戦」in『したたかな植物たち──あの手この手のマル秘大作戦 春夏篇』(ちくま文庫), 筑摩書房, 2019.
    • 森田竜義・芝池博幸「雑種タンポポ研究の現在──見えてきた帰化種タンポポの姿」
        森田竜義[編著]『帰化植物の自然史──侵略と攪乱の生態学』 , 北海道大学出版会, 2012, pp.213-237.